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所沢の山車まつり ところざわまつり

山車(だし)を曳(ひ)くお祭りは全国各地に多数あります。所沢でも、毎年10月に開催される 「ところざわまつり」にて山車の曳き回しが行われています。


歴史

初めて「ところざわ(所沢)まつり」の名称が使われたのは昭和59年(1984年) のことでした。それまでは「商工祭」「山車祭り」等の名称で開催されていました。開催日も、現在は10月ですが、 他の月に開催されていたこともありました。

山車祭りは、大正の初め頃までは所沢町の鎮守神明社の秋の祭礼(9月15日)に数町内で山車をひいていたものが 母体となっています。起源は明確ではありませんが、山車の購入や製作の年代からすると、 明治初期頃から行われていたと考えられているようです。現在では、神明社の祭礼とは切り離され、ところざわまつり での開催となっています。


山車

現在では毎年行われている山車の曳き回しですが、かつては費用の問題から、 5年毎の市制施行記念など、特別の行事の時にしか開催されませんでした。

また、最初からすべての町内に山車が揃っていたわけではなく、近隣から山車を借りたり、 山車を曳かない年には、通りに面した場所に屋台を組み立て、居囃子(いばやし)を行いました。

祭が盛んになるにつれて製作または購入されていき、おおよそ出揃ったのは昭和25年(1950年) 市制施行のときでした。

多くは近隣の人たちが製作したものですが、中には御幸町の山車のように全国的に名をはせた名匠の作もあります。

現在、12台(元町本町、元町東、寿町、有楽町、御幸町、宮本町、金山町、日吉町・東町、旭町、新井町、西所沢、星の宮) ある山車のうち、元町本町、有楽町、御幸町の3台が市の指定文化財となっています。


祭囃子

山車祭りに欠くことができないものとして祭囃子があります。

所沢の祭囃子の主流は重松(じゅうま)流と呼ばれるテンポの良さと、 屋台囃子の小太鼓2つ(地(じ)と絡(から)み)の掛け合いが特徴といわれている流派です。

幕末から明治初期にかけて所沢を中心に近隣に広まった流派で、所沢に住んでいた古谷(ふるや)重松(じゅうまつ)が広めました。 現在、この祭囃子も市の無形民俗文化財に指定されています。

当日は山車の曳き回しや民謡流しをはじめ、多彩な催し物が開催されます。勇壮な山車や祭囃子を見に お出かけになってはいかがでしょうか。(K)


参考文献

  • 『所沢市史 民俗』 所沢市史編さん委員会/所沢市 《213.4ト》
  • 『ところざわ歴史物語』所沢市教育委員会 《213.4ト》
  • 『金山百年史』 金山町町内会 《213.4カ》
  • 『祭りと芸能』 祭りと芸能編集委員会/所沢市立中央公民館 《K382マ》
  • 『所沢中心市街地楽知見マップ』所沢商工会議所 《291.34ト》
  • 『縮刷版広報ところざわ 第6集』所沢市企画部広報広聴課/所沢市 《318.234ト6》
  • 「広報ところざわ」2008年10月号